最新の写真

園内の水辺,2023年6月11日午後,くもり

木陰の水辺の虫を見ていたら,上のタチヤナギの枝から重厚な羽音とともに落ちてきた虫あり.大きなスズメバチでした.模様を見るとオオスズメバチかコガタスズメバチですが,サイズが大きくて,見た瞬間,オオスズメバチです.顔面を撮った写真でもオオスズメバチと確認できました.また,普通のオオスズメバチよりも更に腹部が大きくて長い印象です.女王バチは,春から6月ぐらいまで巣を作る場所を探しながら単独行動するようです.また,女王バチが巣を作って最初に産んで育てた働きバチは体のサイズが小さい傾向があるようです.したがって,6月にこんなに大きな個体が見られるのは,おそらく女王バチなのではないかと思います.このヤナギの木は枝に樹液が出ているところがあるらしく,シロテンハナムグリなどがよく集まっています.

園内の水辺,2023年6月11日午後,くもり

このスズメバチは,一旦水中に落ちて,水中で羽ばたきながらもがいていましたが,枝につかまることができて,やっと水上に上がってきたところです.まだ飛び立つ元気はなさそうです.



基本情報

和名
オオスズメバチ
分類
節足動物門 昆虫綱 ハチ目 スズメバチ科 スズメバチ属 (Vespa)
英名
Asian Giant Hornet
学名
Vespa mandarinia
状況

写真とメモ

樹液場の死骸

園内の樹液場,2021年10月3日午後,晴れ

園内の樹液場にて.秋はハチぐらいしか来ていない樹液場ですが,今日はモンスズメバチがたまに飛んでくる程度でしたので,地面に落ちていたオオスズメバチの死体を撮影してみました.生きているスズメバチは近くから撮影できないので,死体は拡大するチャンスです.3cm以上か以下かでオオスズメバチとコガタスズメバチが区別できるのですが,生きているのを遠目で見たときは3.5cm以上は絶対あると感じましたが,実際に測ってみるとちょうど3.5cmぴったりでした.生きているときは迫力で大きく見えるのでしょうか.腹部の縞模様は黒と黄色メインです.ヒメスズメバチの模様が3色目である赤が混じっていてもっと毒々しく見えます.

樹液場の真下の地面には何頭ものオオスズメバチやモンスズメバチが死んでいました.これはなぜなのでしょう.樹液場の下にはカナブンやハナムグリが死んでいることもありますが,圧倒的に多いのはスズメバチです.スズメバチは樹液場でバトルして死ぬことが多いとか,寿命が近づいた働きバチの最後の仕事が樹液場巡回とか?

園内の樹液場,2021年10月3日午後,晴れ

顔面の拡大.オオスズメバチとコガタスズメバチの区別が明瞭.左右の眼と口の間の部分(頭楯)の下の縁の突起が左右のみの2コです.中央に1コ突起があり,合計3つ見えるのがコガタスズメバチ.

園内の樹液場,2021年10月3日午後,晴れ

横から見たところ.腹部の端から針が出ています.腹部から出ている部分の長さはほぼ5mm.スズメバチの針はこんなに長いんですね.ハチの針はメスの産卵管が変わったものとのことです.


樹液にて

園内の樹液場,2021年9月26日午前,くもり

樹液場に大きなスズメバチが来ていました.重低音の羽音を響かせながら入れ替わり立ち替わりハチが現れては飛び去っていき,いつも数頭のハチがいる状態.しばらくの間見ていましたが,樹皮にできた窪みに頭を突っ込んだり,ハチどうしで頭をくっつけ合ったり,せわしなく動き続けています.樹液場とは言っても,樹液が出ているところは見えなくて,スズメバチ以外の虫は全く来ていないし,本当に樹液を飲めているのだろうか,とちょっと疑問.樹液がないことを互いに確認しつつ報告に帰る… みたいな状況なのでしょうか.

スズメバチの種類ですが,園内ではあまり見ることのないオオスズメバチでした.オオスズメバチとコガタスズメバチは体の模様がほぼ同じで,大きさが違います.今回のハチは明らかに3.5cmは超えていてオオスズメバチと確信しましたが,形でも区別できるか,前から見た頭部を拡大してみました(下の写真).

園内の樹液場,2021年9月26日午前,くもり

オオスズメバチとコガタスズメバチでは,左右の眼の間,口の上の部分(頭楯,とうじゅん)の下部の形が違うそうです.オオスズメバチでは下向きの左右の突起の間が孤状にくぼんでいますが(写真),コガタスズメバチでは,下向き左右の突起の間に中央にももうひとつ突起があります(参考5).スズメバチの複眼の形って変です.

園内の樹液場,2021年9月26日午前,くもり

お互いの頭をくっつけあって,情報交換しているようです.上の写真では3頭が頭をくっつけています.

オオスズメバチがどこから飛んできて,どこに飛んでいくのかを目で追って確かめてみたのですが,飛び去るハチは次第に高度を上げながら,一直線に園内の立入禁止の深い森の方に向かいました.おそらく今年はあの森の中にオオスズメバチの巣があるものと思います.オオスズメバチの巣は木の根の地面の下などに作られることが多く,巣そのものが外から見えないことが多いようです.一度見てみたいですね.


スズメバチ VS カマキリ

みさと公園,2014年9月23日午後,晴れ

道路を自転車で通っていると,街路樹の上からブーンという音とともに路上に降りてきたのが上の写真.スズメバチとカマキリが格闘していました.格闘に見えましたが,結果はすでについており,カマキリはまだ足を動かしてはいましたが,スズメバチにあおむけにされており,動きが次第に弱々しくなっていきます.

カマキリはおなかの大きなメスで,翅に白い紋がついているのが見えましたので,ハラビロカマキリです.一方のスズメバチは,頭部や胸部の色や模様はオオスズメバチかコガタスズメバチかどちらかです.ハラビロカマキリのメスの大きさとの対比から,このスズメバチの体長は3.5cmぐらいあるように見えます.コガタスズメバチの働き蜂はもっと小さくて,体長3㎝を超えることはないそうなので,オオスズメバチと判断しました.オオスズメバチはアジアに分布する種類で,特に日本産のはサイズが最も大きく,Japanese Giant Hornet(Vespa mandarinia japonica)という亜種として扱うこともあるようです.,

みさと公園,2014年9月23日午後,晴れ

道路を通る人々に動ずる様子もなく,スズメバチはカマキリを胸からバリバリとかみくだいていき,あっという間に頭がとれ,前肢がとれていきます.もうカマキリも動いていません.

みさと公園,2014年9月23日午後,晴れ

胸部を解体し終わって,スズメバチの口元にはカマキリと同じ色,薄緑色の丸い肉団子がくわえられていました.しばらくしてまたこの場所に来てみると,スズメバチもカマキリの腹部もなくなっていましたので,体ごとまたどこかに運んで行ったのかもしれません.

図鑑やネット上の昆虫写真では,カマキリがスズメバチを食べている写真もスズメバチがカマキリを食べている写真もどちらも見つかりますが,勝率をまとめている方もいました(参考URL).どちらか弱っているほう,または体の小さいほうが食べられてしまう関係なのかもしれません.今回の場合は,オオスズメバチとハラビロカマキリだったのですが,これがキイロスズメバチオオカマキリだったら結果は逆だったのかもしれません.



参考

  1. “オオスズメバチ”. ウィキペディア日本語版. 2021-09-09. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1%E3%83%90%E3%83%81, (参照 2021-12-10).
  2. スズメバチの天敵 草原の暗殺者 カマキリ. “野生動物や昆虫の知られざる生態 最強生物の座は?”. http://animalbattles.wealthyblogs.com/?p=712, (参照 2023-06-23).
  3. スズメバチ VS カマキリ. “ミルク嫌い奮闘記”. https://ameblo.jp/osorano-karen/entry-11657339892.html, (参照 2023-06-23).
  4. スズメバチとカマキリはどっちが強いか? “シャーマンブログ(略してシャブログ)”. http://shablog.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_be20.html, (参照 2023-06-23).
  5. スズメバチの種類の見分け方. “ルイワン蜂・害虫駆除センター”. (参照 2021-12-10) https://www.rui-one.com/discrimination.htlm, (参照 2023-06-23).
  6. . “”. , (参照 ).